LINEミニアプリ開発の進め方|LIFFとの違いや作り方・会社の選び方

LINE上で会員証・予約・注文などのサービスを提供したいものの、LINE公式アカウントの標準機能では足りないと感じ、LINEミニアプリ開発を調べ始めた方も多いのではないでしょうか。
専用アプリはダウンロードしてもらえるか分からず、LIFFとの違いや審査の有無も分かりにくいため、何から決めればよいか迷いやすいテーマです。
この記事では、自社がLINEミニアプリで作るべきかを判断する軸と、作り方(パッケージ・委託開発・自社開発)の選び方を解説します。
公開までの流れと期間の目安、開発会社に確認したいことまで分かる内容です。
このサイトを運営するEPICsは、250件以上の開発実績を持つアプリ・システムの受託開発会社です。
作ったのに使われないサービスにしないため、作る前に「欲しい人がいるか」を確かめる検証から、開発、公開後の改善までを1社で伴走しています。
石森裕也(EPICs株式会社 CTO)
サイバーエージェントのグループ会社での経験を経てEPICsに参画。開発経験10年。専門は、新規事業のアプリ開発(MVP開発を含む)と、業務システムの開発・刷新。ノーコード・AI駆動開発・スクラッチのすべてで開発経験を持つ。EPICsでは100件以上の新規事業・業務システム開発に携わり、主要プロジェクトで技術責任者を務める。
中原啓(EPICs株式会社 エンジニア)
NTTデータビジネスシステムズでWebアプリケーション開発に従事した後、EPICsに参画。専門は、新規事業のアプリ開発と、業務システムの開発・刷新。PMとして、EPICsの新規事業・業務システム開発の主要プロジェクトで開発工程の全体を管理する。ノーコードとAI駆動開発の両方で開発経験を持つ。
1.LINEミニアプリは、顧客との接点がすでにLINEにあり、会員証や予約をLINEで完結させたい会社に向いています。
2.「作ったのに使われない」を防ぐには、機能を1つに絞り、審査なしで出せる未認証ミニアプリとして小さく公開します。
3.費用は作り方・機能の範囲・連携するシステムの数で変わり、公開後の運用の費用も見込む必要があります。
LINEミニアプリ開発とは?LINEの中で動く自社サービスを作ること
LINEミニアプリ開発とは、LINEの中で動く自社のサービスを、Webアプリ(Webサイトと同じ技術で作り、アプリのように操作できるもの)として作ることです。
この章では、次の3つを順に説明します。
- LINEミニアプリはどんなものか
- 何を作れるか
- どんな種類があるか
LINEミニアプリは、インストール不要でLINEの中で使えるWebアプリ
LINEミニアプリは、LINEの中で動くWebアプリで、利用者はアプリをインストールせずに使えます。
LINEの開発者向け公式サイトであるLINE Developersでは、LIFF(LINE Front-end Framework。LINEの中でWebアプリを動かす仕組み)の上で動くWebアプリと説明されています。
利用者は、LINE公式アカウントのリッチメニュー(トーク画面の下のメニュー)や、配信されたメッセージのリンクから開けます。
Webサイト・メール・QRコードに載せたリンクからも開けるため、店頭や自社サイトから案内して、サービスをLINEの中で完結させることも可能です。(出典:LINEミニアプリとは|LINE Developers)
会員証・予約・モバイルオーダーなど、顧客との窓口を作れる
LINEミニアプリでは、会員証・予約受付・モバイルオーダーなど、店舗やサービスと顧客をつなぐ窓口をLINE上に作れます。
LINEヤフーが代表的な用途として紹介しているのは、追加のダウンロードや会員登録なしにLINEから使える、次のようなサービスです。(出典:LINEヤフー プレスリリース(2024年11月26日))
- デジタル会員証:スマートフォンで見せる会員証
- 予約受付:来店や利用の予約をLINEの中で受け付ける
- モバイルオーダー:店内や持ち帰りの注文をスマートフォンから受け付ける
これまでは主に店舗などのオフラインのサービスで使われてきましたが、2024年11月のアップデート以降は、ゲーム・EC(ネット通販)・メディアなどオンラインのサービスでの活用も進められています。(出典:LINEヤフー プレスリリース(2024年11月26日))
審査なしで出せる「未認証」と、機能が広がる「認証済」がある
LINEミニアプリには、審査なしで公開できる未認証ミニアプリと、審査を通ると機能が広がる認証済ミニアプリの2種類があります。
2024年11月のアップデートで、それまで公開前に必要だった審査は、認証済ミニアプリにする場合だけになりました。(出典:LINEヤフー プレスリリース(2024年11月26日))
画面上部のヘッダーには、未認証ミニアプリではURLのドメイン名(サイトの住所にあたる部分)が、認証済ミニアプリでは認証バッジとLINEミニアプリ名が表示されます。
LINEのホームタブやLINE内の検索から見つけてもらえるのも、認証済ミニアプリだけです。(出典:LINEミニアプリとは|LINE Developers)
| 機能 | 未認証ミニアプリ | 認証済ミニアプリ |
|---|---|---|
| サービスメッセージ(予約の確認など、利用者の操作に応じた通知) | 使えない | 使える |
| ホーム画面へのショートカット追加 | 使えない | 使える |
| Custom Path(ブランド名などを入れた覚えやすいURL) | 使えない | 使える |
| 共通プロフィールのクイック入力(住所などの自動入力) | 使えない | 使える |
| ヘッダーへのLINEミニアプリ名の表示 | 使えない | 使える |
| LINE公式アカウントの友だち追加への誘導 | 使える | 使える |
| 決済システムの利用 | 使える | 使える |
| 広告の掲載 | 使える | 使える |
未認証ミニアプリでも、友だち追加への誘導や決済は使えます。
予約確認などの通知を送るサービスメッセージや、ホーム画面へのショートカットは、認証済ミニアプリにして初めて使える機能です。
LIFF・LINE公式アカウント・専用アプリとはどう違う?
LINEミニアプリ・LIFFアプリ・LINE公式アカウント・専用アプリは、それぞれ役割が違います。
LINE公式アカウントは顧客に情報を届ける窓口、LINEミニアプリとLIFFアプリはLINEの中で使ってもらうWebアプリ、専用アプリは端末にインストールして使うアプリです。
LINEアプリ開発を検討するときに、最初に押さえておきたい違いを表にまとめました。
| 項目 | LINEミニアプリ | LIFFアプリ | LINE公式アカウント | 専用アプリ(ネイティブアプリ) |
|---|---|---|---|---|
| 使い始めるまで | インストール不要 リンクやQRコードから開く | インストール不要 | 友だち追加する | App StoreやGoogle Playからインストールする |
| 主な役割 | 会員証・予約などを、LINEの中で使ってもらう | LINEのユーザーIDなどを生かした機能を、LINEの中で使ってもらう | 友だちに、メッセージで情報を届ける | 自社のサービスを、専用の画面で使ってもらう |
| LINEヤフーの審査 | ・未認証ミニアプリは不要 ・認証済ミニアプリにする場合は必要 | — | — | — |
| LINEを使わない人への提供 | 2025年10月1日から、外部のWebブラウザでも使えるように作れる(一部の機能を除く) | 外部のWebブラウザでも動く(一部の機能を除く) | — | LINEがなくても使える |
出典:
LINEミニアプリとは|LINE Developers
外部ブラウザでLINEミニアプリを開く|LINE Developers
LIFFの概要|LINE Developers
LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business
LINEヤフー プレスリリース(2024年11月26日)
LIFFとは同じ仕組み。新しく作るならミニアプリが推奨
LINEミニアプリとLIFFアプリは同じLIFFの上で動くWebアプリで、新しく作るならLINEミニアプリとして作ることが推奨されています。
LINE Developersの案内では、LIFFはLINEミニアプリに統合される予定です。(出典:LIFFアプリを新規作成する際は、LINEミニアプリとして作成することを推奨します|LINE Developers)
LIFFのAPI(機能を呼び出す仕組み)では、LINEのユーザーIDなどのデータを取得でき、利用者に合わせた機能を作れます。(出典:LIFFの概要|LINE Developers)
LIFFアプリ開発を考えている場合も、LINEミニアプリとして作れば、審査を通ったあとにサービスメッセージなど認証済ミニアプリの機能を使えるのが利点です。
以前は「LIFFは審査なし、ミニアプリは審査が必要」と比べられていましたが、2024年11月以降は、ミニアプリも未認証なら審査なしで公開できます。
LINE公式アカウントは「届ける」、ミニアプリは「使ってもらう」
LINE公式アカウントは友だちに情報を届ける窓口で、LINEミニアプリは会員証や予約などを実際に使ってもらう場所です。
2つは置き換えるものではなく、組み合わせて使う関係にあります。
リッチメニューやリッチメッセージ(画像などで訴求するメッセージ)からLINEミニアプリへ誘導でき、反対にLINEミニアプリから友だち追加へ誘導することも可能です。(出典:LINE公式アカウントを活用する|LINE Developers、カスタム機能|LINE Developers)
専用アプリは自由度が高いが、インストールの壁がある
専用アプリ(ネイティブアプリ)は画面や機能を自由に作れる一方で、利用者にインストールしてもらう手間がかかります。
LINEに頼らずに顧客との接点を持てる反面、インストールの手間は、初めてサービスを使う顧客ほど大きな壁です。
LINEミニアプリはインストール不要で、普段使っているLINEから始めてもらいやすいのが利点です。
その代わり、ヘッダーなどの見た目や使える機能、提供できる体験は、LINEの仕様と規約の範囲で作ることになります。(出典:LINEミニアプリとは|LINE Developers)
LINEミニアプリが向いている会社・向いていない会社は?
LINEミニアプリが向いているのは、顧客との接点がすでにLINEにあり、会員証・予約・注文などをLINEの中で完結させたい会社です。
業種よりも、顧客との接点と使ってもらう頻度で判断すると、メリットとデメリットを取り違えにくくなります。
自社の事業の状況ごとに、向いている形を早見表にまとめました。
| 自社の状況 | 向いている形 | 理由 |
|---|---|---|
| LINE公式アカウントの友だちに、会員証・予約・注文をLINEの中で使ってもらいたい | LINEミニアプリ | リッチメニューなどから誘導でき、インストールなしで使ってもらえる |
| 店頭のQRコードなどから、初めての顧客に気軽に使ってもらいたい | LINEミニアプリ | QRコードやリンクから開け、インストールの手間がない |
| 予約受付やクーポン配信など、よくある機能で足りる | LINE公式アカウントの拡張ツールやパッケージ | 用意された機能で始められる可能性がある |
| 毎日のように使ってもらう、独自の画面や体験を作りたい | 専用アプリも比べる | LINEミニアプリは、見た目や機能がLINEの仕様の範囲になる |
| LINEを使わない顧客も多い | ・LINEミニアプリをWebブラウザでも使えるように作る ・専用アプリやWebアプリも比べる | 外部のWebブラウザでは、一部の機能が使えない |
出典:
LINEミニアプリとは|LINE Developers
LINE公式アカウントを活用する|LINE Developers
外部ブラウザでLINEミニアプリを開く|LINE Developers
LINEの中で完結させたいなら、ミニアプリが向いている
顧客との接点がすでにLINEにある会社や、初めての顧客に気軽に使ってもらいたい会社には、LINEミニアプリが向いています。
LINE公式アカウントの友だちにはリッチメニューから、初めての顧客には店頭のQRコードやチラシ、Webサイトのリンクから、インストールなしで使い始めてもらえるのが特徴です。(出典:LINE公式アカウントを活用する|LINE Developers)
認証済ミニアプリにすれば、予約の確認などをサービスメッセージで通知でき、来店までのやりとりをLINEの中で完結できます。(出典:カスタム機能|LINE Developers)
EPICs株式会社CTO 石森裕也からのコメント
当社でも、新しいサービスの入口をLINEにするというマーケティングの観点から、LINEの中で動くサービス(LIFFを使ったサービス)の制作に取り組んできました。そこで感じるのは、LINEミニアプリで作るかどうかは、作りたい機能より先に「顧客がどこから入ってくるか」を決めると判断しやすいということです。LINE公式アカウントの友だちなのか、店頭のQRコードなのか、広告やWebサイトなのか。入口が決まれば、LINEの中で完結させるべきかどうかも見えてきます。
毎日使う・独自の体験を作るなら、専用アプリも比べる
毎日のように使ってもらうサービスや、販促の通知を自社のタイミングで送りたいサービスは、自由度の高い専用アプリも比べて選びましょう。
LINEミニアプリのサービスメッセージは利用者の操作への確認や応答に限られ、値下げやプロモーションなど販促の通知は禁止されています。(出典:カスタム機能|LINE Developers)
専用アプリ(ネイティブアプリ)の例に、当社が開発した飲食店のオウンドアプリ(自社専用のアプリ)『ショップアプリ』があります。
クーポンを発行するとプッシュ通知(スマートフォンに届くお知らせ)で来店を促せ、スタンプ・モバイルオーダー・予約・顧客管理などを1つにまとめて、App StoreとGoogle Playで公開しました。(出典:開発事例:飲食店のオウンドアプリ『ショップアプリ』)
どちらが常に優れているわけではなく、使ってもらう頻度と、通知で何を届けたいかで比べることが大切です。
LINEの仕様や規約に左右される点は、先に知っておく
LINEミニアプリのデメリットは、見た目や使える機能、手数料などの条件が、LINE側の仕様や規約に左右されることです。
どこまでLINEに頼るかは、次の点を知ったうえで決めましょう。
- 画面上部のヘッダーや、シェアなどに使うアクションボタンは、LINEが決めた形で表示される
- LINEミニアプリをLINEのホームタブに固定する機能は、2024年1月に廃止された
- アプリ内課金(LINEミニアプリの中でデジタルコンテンツなどを販売する機能)には、所定の手数料がかかる
- 外部のWebブラウザでも提供できるが、アプリ内課金など使えない機能がある
出典:
LINEミニアプリとは|LINE Developers
アプリ内課金の概要|LINE Developers
外部ブラウザでLINEミニアプリを開く|LINE Developers
これらは、LINEの仕組みを借りる代わりに受け入れる条件です。
LINEを使わない顧客への提供や仕様変更への対応は、発注前に開発会社と確認しておきましょう。
LINEミニアプリの作り方は3つ。パッケージ・委託開発・自社開発はどう選ぶ?
LINEミニアプリの作り方は、パッケージ・委託開発・自社開発の3つです。
作りたいものが「よくある機能」か「自社独自の流れ」か、社内に開発と運用を担える人がいるかで選びます。
3つを同じ基準で比較しました。
| 作り方 | 向いているケース | 画面や機能の自由度 | 始めるまでの手間 | 費用のかかり方の傾向 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| パッケージ | 会員証・予約など、よくある機能で足りる | 用意された機能の範囲 | 少ない (設定・調整して使う) | 利用料が中心 | 範囲を超える要望は、対応できないか追加費用がかかる場合がある |
| 委託開発 | 自社独自の流れや、ほかのシステムとの連携がある | 高い | 作りたいことを整理してから開発するため、パッケージより多い | 初期の開発費と、公開後の保守費 | 公開後の保守・改修の費用と体制も考えておく |
| 自社開発 | 社内に開発と運用を担える人がいる | 高い | 社内で開発する体制が必要 | 社内の人件費と運用の手間 | 審査の申請や仕様変更への対応、保守も社内で担う |
費用のかかり方は傾向で、実際の金額は提供会社や開発会社によって異なります。
よくある機能で足りるなら、パッケージから検討する
会員証・クーポン・スタンプカード・予約受付など、よくある機能で足りるなら、パッケージから検討しましょう。
用意された画面や機能を自社に合わせて設定・調整して使うため、一から作るより早く始められます。
パッケージにあたる選択肢は、次の3つです。
- LINEヤフーのパッケージ:予約用ミニアプリをセットにしたヘアサロン向けの「LINEビューティープラス」、モバイルオーダーをセットにした飲食店向けの「LINEレストランプラス」
- 開発会社が、自社のプラットフォーム(サービスの土台となる仕組み)をもとにカスタマイズして提供するもの
- LINE公式アカウントの拡張ツール:予約や会員証などの機能を足す、外部の会社のSaaS(インターネット経由で使う既製のサービス)
出典:
LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business
LINEミニアプリ認定委託開発企業一覧|LINEヤフー for Business
範囲を超える要望(独自の画面の流れや、既存システムとの連携など)は、対応できないか、追加費用がかかる場合があります。
月額などの利用料は契約中かかり続けるため、長く使う前提で総額を比べておくと安心です。
独自の流れや他システムとの連携があるなら、委託開発
自社独自の流れを作りたい場合や、既存のシステム・外部サービスと連携したい場合は、委託開発が向いています。
画面の流れを業務に合わせて設計でき、LINEのユーザーIDなどを自社のデータと結び付けて使うことも可能です。(出典:LIFFの概要|LINE Developers)
LINEヤフーの認定委託開発企業一覧には個別開発を行う会社も載っており、依頼先選びを無料で相談できる窓口もあります。(出典:LINEミニアプリ認定委託開発企業一覧|LINEヤフー for Business)
ただし、作りたいことを整理する手間(要件の整理)は、発注者側にも必要です。
初期の開発費に加えて、公開後の保守・改修の費用と体制も考えておきましょう。
社内にエンジニアがいれば自社開発も選べるが、運用も担う
社内にエンジニアがいれば自社開発も選べますが、審査の申請や仕様変更への対応、保守まで社内で担います。
LINEミニアプリは、LINEミニアプリポリシーの利用対象者なら誰でも開発でき、設定から審査の申請までLINE Developersコンソール(開発者向けの管理画面)で行う仕組みです。(出典:LINEミニアプリとは|LINE Developers)
開発の技術だけでなく、公開後の運用まで担える人が社内にいるかで判断しましょう。
開発の手順は、LINE Developersの公式ドキュメントが参考になります。
発注から公開までの流れと期間の目安は?
委託開発の場合、作りたいことの整理から開発会社の選定、設計・開発・テストを経て公開し、必要に応じて認証審査を受ける、という順に進みます。
全体の期間は作る機能の範囲で大きく変わるため、開発会社の見積もりで確かめましょう。
LINE側で決まっているのは、認証審査の期間(1〜2週間程度)だけです。
- 作りたいことと顧客の入口を整理する:誰に、何を、どこから使ってもらうかを決める
- 開発会社を選ぶ:見積もりと進め方を比べる
- 要件の整理と画面の設計:必要な機能と画面の流れを、開発会社と固める
- 開発:途中の画面を確認し、気づいたことを伝える
- テスト:利用者として一通り使えるかを確かめる
- 未認証ミニアプリとして公開:提供者名やプライバシーポリシーをそろえて公開する
- (必要なら)認証審査を受ける:審査の期間を見込んで申請する
認証審査は公開の条件ではなく、認証済ミニアプリの機能を使うための手続きです。(出典:審査を依頼する|LINE Developers)
公開前に、提供者名とプライバシーポリシーをそろえておく
LINEミニアプリの登録情報はサービスを提供する会社の名義でそろえる必要があるため、開発を任せる場合も、提供者名やプライバシーポリシーは発注者側で準備するのが基本です。
審査の申請前の確認事項として、LINE Developersは次の3つを挙げています。
- プロバイダー名(登録上の提供者の名前)を、サービス提供者と同じにする
- プライバシーポリシーで利用者の情報を取得する会社を、プロバイダー名と同じ会社にする
- チャネル説明(サービスの説明文)に、正しいサービス内容を書く
審査はチャネル説明の内容をもとに行われるため、「注文・決済・店舗での受け取りができる」のように、何ができるサービスかを具体的に書く必要があります。
開発会社の名義で登録されていないかも、公開前に確認しておきましょう。
発注者が自分で確かめられる受け入れテストを用意する
公開前には、発注者自身が利用者として一通り使えるかを確かめる受け入れテストを行います。
手順と結果を記録できるテストの一覧を、開発会社に用意してもらうとよいでしょう。
予約・支払・注文などを含むサービスは、認証審査の申請時にテストシナリオ(審査で使うアカウントや店舗などの情報)の提出が必要なため、その準備にも生かせます。(出典:審査を依頼する|LINE Developers)
確認は、実際のLINEアプリで次のような点まで行うのが基本です。
- 友だち追加の画面やリッチメニューから、正しく起動できるか
- LINEに届く通知の内容とタイミングが正しいか
- 決済などの外部サービスとの連携が動くか
- 操作を途中でやめた場合や、予約を取り消した場合に正しく動くか
認証審査は1〜2週間。公開したい日から逆算して申請する
認証済ミニアプリにする場合、審査が終わるまでに1〜2週間程度かかり、却下されると再審査にさらに数日かかります。
審査の完了日は指定できないため、公開したい日やキャンペーンの開始日から逆算して申請しましょう。(出典:審査を依頼する|LINE Developers)
まず未認証ミニアプリで公開し、反応を見てから認証審査を受ける進め方も選べます。
作ったのに使われないを防ぐには、小さく公開して反応を見ながら広げる
作ったのに使われない失敗を防ぐには、最初から全部を作り込まず、使ってほしい機能を1つに絞って小さく公開し、反応を見てから広げることが大切です。
未認証ミニアプリなら審査なしで公開でき、あとから認証審査を受けて機能を広げられるため、LINEミニアプリはこの進め方と相性がよいといえます。(出典:LINEヤフー プレスリリース(2024年11月26日))
進め方は、次の3段階です。
- 機能を絞って公開する
- 反応を測る
- 広げる・変える・止めるを決める
最初は機能を絞り、未認証ミニアプリとして公開する
最初は予約や会員証など、顧客にいちばん使ってほしい行動の1つに機能を絞り、審査なしで公開できる未認証ミニアプリとして出します。
このように最小限の機能で作って試すのが、MVP(最小限の機能で作った試作品)という考え方です。
機能を絞れば、開発の費用と期間を抑えながら、顧客の反応を早く確かめられます。
未認証ミニアプリは、LINEミニアプリのチャネル(LINE Developersでの登録の単位)を作れば誰でも作成でき、認証審査の前から公開できます。(出典:LINEミニアプリとは|LINE Developers)
ただし、サービスメッセージやホーム画面へのショートカット追加は使えず、ヘッダーにはURLのドメイン名が表示される点に注意が必要です。(出典:カスタム機能|LINE Developers)
最初に絞る機能は、これらがなくても成り立つものから選びましょう。
公開と同時に、反応を測る仕組みを入れておく
公開してから測り方を考えるのでは遅いため、最初の開発の中に、顧客の反応を測る仕組みを入れておきます。
測るものの例は、次のとおりです。
- LINEミニアプリを開いた人数
- 予約・登録・注文など、使ってほしい行動まで進んだ人の割合
- 途中でやめた画面
- もう一度使った人の数
- 満足度の簡単なアンケート(NPS:知人に勧めたいかを0〜10で聞く指標)
LIFFではLINEのユーザーIDを取得できるため、誰がどこまで使ったかを記録しやすくなります。(出典:LIFFの概要|LINE Developers)
記録したデータはCRM(顧客管理の仕組み)や次の施策にも活用できますが、利用者の情報はプライバシーポリシーで示した範囲で扱いましょう。
どの数字をどう見るかを開発の前に決めておけば、公開後の判断に迷いにくくなります。
数字を見て、広げる・変える・止めるを決める
公開後は、測った数字をもとに、広げる・変える・止めるのどれにするかを決め、次に投資する範囲を判断します。
それぞれの例は、次のとおりです。
- 広げる:認証審査を受けて、予約確認のサービスメッセージなど認証済ミニアプリの機能を使う。機能を足したり、LINE公式アカウントからの誘導を増やしたりする
- 変える:使われていない画面や手順を見直す。友だち追加や店頭のQRコードなど、顧客の入口を見直す
- 止める:想定した使われ方にならなければ、作り込む前に方向を変えるか、止める
止めることは失敗ではなく、効果の出ない投資を小さく抑えるための判断です。
反応がよく本格的に作り込む段階では、作り方(パッケージから委託開発へ、など)や開発手法を見直すこともあります。
新規事業の開発、まずは無料でご相談ください
EPICsは250件以上の開発実績をもとに、「欲しい人がいるか」の検証から開発・本格展開まで一気通貫で伴走します。アイデア段階でも、進め方の整理からご相談いただけます。
LINEミニアプリの開発費用は何で決まる?
LINEミニアプリの費用は、最初に作るときの初期費用と、公開後にかかり続ける運用の費用の2つに分けて考えるのが基本です。
初期費用は作り方や機能の範囲、連携するシステムの数で変わり、運用のコストには保守・サーバー・外部サービスの利用料や、LINE公式アカウントのメッセージ送信などが含まれます。
金額の相場は作り方や機能によって大きく違うため、予算を考える前に、何で費用が決まるかを押さえておきましょう。
初期費用は、機能の範囲と連携するシステムの数で変わる
初期費用を大きく左右するのは、作り方と、作る機能の範囲、そして連携するシステムや外部サービスの数です。
作り方による費用のかかり方の違いは、作り方の比較表で確かめられます。
予約・決済・会員情報など、既存のシステムや外部サービスとつなぐほど、設計とテストの手間が増えます。
認証済ミニアプリにする場合は、ガイドラインに沿った作り込みや審査の準備も初期の作業に含まれ、予約・支払・注文を含むサービスではテストシナリオの提出も必要です。(出典:審査を依頼する|LINE Developers)
反対に、最初に機能を絞れば、初期費用を抑えられます。
公開後も、保守・サーバー・外部サービスの費用がかかる
公開後も、保守・改修の費用や、サーバー・外部サービスの利用料がかかり続けます。
パッケージの場合は、その利用料が契約中かかる形です。
主な費用を、次にまとめました。
- 保守・改修の費用:不具合の修正や機能の追加など。LINE側の仕様変更への対応が保守の範囲に入るかも確認する
- サーバーなどの利用料:LINEミニアプリを動かす環境の費用
- 外部サービスの利用料:決済・予約などのサービスは、それぞれ別に契約と利用料がかかる
- アプリ内課金の手数料:アプリ内課金を使う場合は、所定の手数料がかかる
(出典:アプリ内課金の概要|LINE Developers)
保守の範囲は開発会社によって違うため、見積もりの段階で何が含まれるかを確かめましょう。
通知が多いサービスは、メッセージの送信数も見積もる
予約のリマインドなど、LINEで送る通知が多いサービスは、LINE公式アカウントの料金プランによって月々の費用が変わるため、公開前に送信数を見積もっておきます。
LINE公式アカウントは料金プランごとに無料で送れるメッセージの数が決まっており、2026年10月1日には追加メッセージ料金が改定されました。(出典:LINE公式アカウントの料金プラン|LINEヤフー for Business)
金額は変わることがあるため、予算を立てるときは料金プランのページで最新の内容を確かめましょう。
送信数に数えられるのは、Messaging API(自社のシステムからLINE公式アカウントのメッセージを送る仕組み)で利用者に送る通知などです。
一方、利用者からのメッセージへの返信(Reply API)や応答メッセージ、あいさつメッセージは数えられません。(出典:LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business)
EPICs株式会社CTO 石森裕也からのコメント
当社でも、LINEの中で動くサービス(LIFFを使ったサービス)を運用するなかで、リマインドなどの通知が利用者の増加とともに増え、LINE公式アカウントの料金プランを見直す必要が出たことがあります。公開前は作る費用に目が向きがちですが、通知は使われるほど費用が増える運用のコストです。1人あたりに送る通知の数と利用者数の見込みから月の送信数を見積もってランニングコストに含め、「操作が終わったら止める」などの送る条件も設計段階で決めておくと、送りすぎも防げます。
LINEミニアプリの開発会社を選ぶときに確認したいこと
LINEミニアプリの開発会社を選ぶときは、実績の数だけでなく、LINEミニアプリならではの4つの点を発注前に聞いて比べることが大切です。
開発パートナーの候補は、LINEヤフーが公開している認定委託開発企業一覧から探せ、委託先選びを無料で相談できる窓口もあります。(出典:LINEミニアプリ認定委託開発企業一覧|LINEヤフー for Business)
| 聞くこと | よい答えの目安 |
|---|---|
| 顧客の情報をどこまで取り、どう持つか | 「LINEから取れる情報」と「別に集める情報」を分けて提案し、データを自社で持てる形にしている |
| 通知をどう送り、いつ止めるか | 通知ごとに、送る仕組み・送る条件・止める条件を示せる |
| LINEの外や外部サービスとどうつなぐか | 外部ブラウザで使えない機能や、発注者側で必要な契約を説明できる |
| 公開後の改善と仕様変更への対応 | 改善の提案と仕様変更への対応が、保守の範囲に含まれるかを示せる |
顧客の情報をどこまで取り、どう持つかを聞く
LINEログインで取れる顧客の情報には限りがあるため、必要な情報をどう集め、そのデータを誰が持つのかを発注前に確認します。
LINEログイン(LINEのアカウントでサービスにログインする仕組み)で取得できるプロフィール情報は、表示名・ユーザーID・プロフィール画像のURL・ステータスメッセージです。(出典:LINEログインの概要|LINE Developers)
年齢や性別、連絡先などが必要なら、登録フォームなどで別に集める設計が欠かせません。
認証済ミニアプリなら、利用者がLINEに登録した共通プロフィールを、入力欄に自動で入れる機能も使えます。(出典:カスタム機能|LINE Developers)
集めた顧客データを自社で持ち、あとでほかのシステムや別の開発会社に移せるかも確認しておきましょう。
聞き方の例は、「必要な顧客情報のうち、LINEから取れるものと別に集めるものを分けて提案してもらえますか」です。
通知の送り方と、止める条件まで設計してくれるかを聞く
予約の確認やリマインドなどの通知を、どの仕組みで送り、どんな条件で止めるかまで設計してくれる開発会社を選びます。
サービスメッセージは利用者の操作への確認や応答に限られるため、販促の通知はLINE公式アカウントからの配信との使い分けが必要です。(出典:カスタム機能|LINE Developers)
LINE公式アカウントから送る通知は、料金プランのメッセージ送信数にも関わります。
予約が取り消された、操作がすでに終わったといったときに止める条件を決めておかないと、不要な通知が届き、顧客の不満やブロックにつながりやすくなります。
聞き方の例は、「通知ごとに、送る仕組み・送る条件・止める条件を一覧で出してもらえますか」です。
LINEの外や外部サービスとどうつなぐかを聞く
LINEを使っていない人への提供や、決済などの外部サービスとのつなぎ方を、発注前に確認しておきます。
2025年10月1日からは外部のWebブラウザでも使えるように作ることが求められる一方、アプリ内課金など使えない機能もある点に注意が必要です。(出典:外部ブラウザでLINEミニアプリを開く|LINE Developers)
決済などの外部サービスとつなぐ場合は、発注者側でそのサービスの契約やアカウントの準備が必要になることがあります。
将来、専用アプリに広げたくなったときに、データや機能をどう引き継げるかも聞いておきましょう。
聞き方の例は、「LINEを使っていない顧客にはどう提供しますか」「連携する外部サービスのうち、こちらで契約が必要なものはどれですか」です。
公開後の改善と、LINEの仕様変更への対応を聞く
公開後に反応を見て改善を続けられるか、LINE側の仕様が変わったときに対応してくれるかを、保守の範囲として確認しておきます。
LINE Developersでは、LINEミニアプリの仕様の変更や新しい機能の追加が、たびたび発表されてきました。(出典:ニュース(LINEミニアプリ)|LINE Developers)
また、認証済ミニアプリの設定を変えた場合は、もう一度審査を通過するまで、公開中のLINEミニアプリには反映されません。(出典:審査を依頼する|LINE Developers)
反応を測る仕組みをもとに、改善の提案まで受けられるかも比べておきましょう。
聞き方の例は、「公開後の改善と、LINEの仕様変更への対応は、保守の範囲に含まれますか」「審査の申請と、差し戻されたときの対応もお願いできますか」です。
開発会社選びに迷ったら、まずは無料でご相談ください
EPICsは250件以上の開発実績をもとに、新規事業の立ち上げから業務システムの開発・導入まで、ノーコード・AI駆動・スクラッチを使い分けて支援します。依頼先を比較検討している段階でも、進め方や費用感の整理からご相談いただけます。
新サービスのアプリ開発ならEPICs
EPICsは、作る前の「欲しい人がいるか」の検証から開発、公開後の改善までを1社で担い、作ったのに使われない新サービスにしないよう伴走します。
LINEを入口にしたサービスでも、出発点は顧客がどこから入ってくるかです。
進め方の特徴は、フェーズごとに「確かめる問い」と「作るもの」を決め、各フェーズの終わりに進む・変える・止めるを判断することです。
着手前に現在地とロードマップを共有し、NPSや登録ボタンの押下率など反応を測る仕組みを最初から組み込み、公開後は定期的な振り返りでデータをもとに次の打ち手を示します。
開発手法は、ノーコード(プログラムを書かずに作る手法)・AI駆動開発(AIを使って開発を進める手法)・スクラッチ(一からプログラムを書く手法)を使い分けます。
検証段階は素早く作り、本格化の段階でも会社を乗り換えずに手法を切り替えられるのが強みです。
社内のマーケターが事業の視点で提案し、オプションでテストユーザーの集客と顧客インタビューも支援しています。
開発実績は250件以上で、費用の目安は、現在地の判定とロードマップの提案が無料、課題と市場の検証と解決策の検証が各50万円〜、MVP開発が150万円〜です。
お問い合わせには2営業日以内に返信しています。
出典:EPICs アプリ・システム受託開発サービス/EPICs 新規事業のためのアプリ・システム受託開発サービス
- LINEミニアプリの開発費用はいくらですか?
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【LINEミニアプリの開発費用に、一律の金額はありません】。作り方(パッケージ・委託開発・自社開発)、作る機能の範囲、連携するシステムや外部サービスの数によって、大きく変わるためです。費用は、最初に作るときの初期費用と、公開後にかかり続ける運用の費用の2つに分けて考えます。運用の費用には保守・改修の費用やサーバー・外部サービスの利用料が含まれ、予約のリマインドなど通知が多いサービスでは、LINE公式アカウントのメッセージ送信の費用も見込んでおく必要があるでしょう。最初は機能を1つに絞って公開すれば、初期費用を抑えられます。
- LINEミニアプリとLIFFアプリの違いは何ですか?
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LINEミニアプリとLIFFアプリは仕組みが同じで、LINEミニアプリとして作ると、認証済ミニアプリだけの機能を使える点が異なります。どちらも、LIFF(LINEの中でWebアプリを動かす仕組み)の上で動くWebアプリです。LINEミニアプリとして作れば、LINEヤフーの認証審査を通ったあとに、サービスメッセージ(予約の確認などの通知)やホーム画面へのショートカット追加などが使えるようになります。また、LIFFはLINEミニアプリへの統合が予定されており、LINE Developersでも、新しく作る場合はLINEミニアプリとして作ることが推奨されています。
- なぜ最初は未認証ミニアプリとして公開するのがよいのですか?
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【未認証ミニアプリは審査なしで公開できるため、機能を絞って早く出し、顧客の反応を確かめてから次の投資を判断できるからです】。最初から全部の機能を作り込むと、作ったのに使われなかったときの負担が大きくなります。認証審査は終了までに1〜2週間程度かかり、却下されると再審査にさらに数日かかりますが、未認証ミニアプリなら審査を待たずに公開できる仕組みです。反応がよければ、あとから認証審査を受けて機能を広げられます。ただし、未認証ミニアプリではサービスメッセージやホーム画面へのショートカット追加などが使えないため、それらがなくても成り立つ機能から始めることが大切です。
- LINEミニアプリのデメリットは何ですか?
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主なデメリットは、LINEの仕組みの上で動くため、見た目や使える機能、手数料などの条件がLINE側の仕様や規約に左右されることです。たとえば、画面上部のヘッダーなどはLINEが決めた形で表示され、アプリ内課金には所定の手数料がかかります。また、認証済ミニアプリで使えるサービスメッセージは、利用者の操作への確認や応答に限られ、値下げやプロモーションなどの販促の通知は送れません。LINEを使わない人にも、2025年10月1日からは外部のWebブラウザで提供できるようになりましたが、アプリ内課金など、外部ブラウザでは使えない機能があります。
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EPICsは250件以上の開発実績をもとに、「欲しい人がいるか」の検証から開発・本格展開まで一気通貫で伴走します。アイデア段階でも、進め方の整理からご相談いただけます。
